緋弾のアリア 32巻 蒼穹の密使(エトランゼ)の見どころ・感想 ネタバレあり
2020年12月25日に発売された小説『緋弾のアリア ⅩⅩⅩⅡ 蒼穹の密使(エトランゼ)/著・赤松中学』の私見にはなりますが、見どころと感想を載せていきます。そのためネタバレも有りますが、ご了承ください。
私の意見になりますが、このシリーズは、ラブコメとアクションが入り込んでおり、尚且つ、文章が読みやすいことから、ライトノベルを初めて読む方にお勧めです。
ただ、長期のシリーズものですので、初めから読んだ方が良いです。
今回は、始めと終わりに戦闘が盛り込まれております。
そして、2年4組遠山キンジ先生、始まります。
緋弾のアリア 32巻 見どころ
前巻、父親・遠山金叉(こんざ)に会いにアメリカへ向かった主人公・遠山キンジ一行。
父親と再会を果たしますが、そこにはNのリーダーの一人であるネモの姿がありました。
オルゴ(静かなる鬼)と呼ばれた金叉がネモに牙を剥くところから物語は始まります。
catch you later
ネモのコロシの任務を受けている金叉は、ネモのすぐ近くまで迫っておりました。
その時、キンジたちと同行していた金叉に様々な因縁があるマキリが動き出します。
愛した金叉のすべてを奪いたいという願いで。
マキリは、多重脳にフルアクセスし金叉に目の前で気づかれずに動く技で迫ります。
そしてマキリは攻撃を仕掛けますが、自身の感情で技を失敗してしまいます。
色々な思いがあふれ、涙を流すマキリに一発の凶弾が襲います。
それは、スナイパー(猿田武検補)(ネタバレ反転)によるものであり、マキリはたおれてしまいます。
それでも起き上がり、金叉に語り掛けるマキリに二発、三発とスナイパーの銃弾が襲い、マキリは滝つぼへ吹き飛ばされました。
再度、ネモに近づこうとする金叉を前に、ネモたち(ネモ、エンディミラ、テテティ、レテティ)が視覚外瞬間移動で逃げるのにかかる時間がまだ7分もあり、キンジとジーサードは時間稼ぎに金叉と相対します。
息子であることを認識してくれないキンジは、遠山家に代々伝わる技を仕掛けていきますが、金叉の方も遠山家の技で応対します。
金叉のほうは、キンジたちに遠山家に伝わる奥義を次々と放つのでした。
それによって窮地に陥るキンジたち。
その時、金叉の携帯電話が鳴り、足が止まった瞬間をつき、エンディミラたちは視覚外瞬間移動の範囲外に出て、ネモのみ跳躍させるのでした。
そして、残ったキンジ、エンディミラたちは逃げるため、ナイアガラの滝を飛び降りました。
助かった一行は、銭形乃莉(ぜにがたのり)の車に拾われ、在カナダ大使館へと招待されるのでした。
そして後に、飛行機で日本へ還されるキンジたち。
機内で今回の旅のまとめに入るキンジは、父親がなぜ自分のことを息子と理解してくれなかったのか――。
それは、マダム・ティー(時任先輩の母)が金叉の記憶を消して、書き換えたからでした。
そして、オルゴ(静かなる鬼)が出来上がったというわけでした。
それを含め、今回の旅でお世話になった時任先輩に結末を伝えるのでした。
機内でキンジがジーサードに旅のまとめで語ったのは、父親・金叉がヒステリアモード(本気)ではなかったことでした。
子供が父親という強い壁を再認識し、父親が生きていたことへ、そして最強すぎるぐらい強いことに男兄弟二人は喜ぶのでした。
カネ・ヒト・エルフ
日本に帰国したキンジたちは、それぞれが家に帰ることになります。
エンディミラ、テテティ、レテティたちは、キンジに同行します。
キンジとの生活の中で、お金という概念が異世界の住人であるエンディミラたちには理解できないようで、キンジはたびたび困らされます。
ある日、家賃を滞納していたキンジは大家に見つかり、エンディミラたちを含め、闇金に金を借りに行くことになります。
家賃分プラスのお金を借りられたキンジは、大家の大矢に滞納分の家賃を支払い、残りのわずかなお金で生活をすることになります。
それでは心元がないので、キンジは古巣(東京武偵高校)に出されている依頼で報酬を得ようと(通称・ハイエナ)、掲示板で依頼を探します。
その時、武偵高の蘭豹先生に見つかり、先生の家まで連行されます。
臨時収入が入った蘭豹先生は冷凍食品を、キンジや一緒にいたエンディミラにも振舞います。
そして、今のキンジに職がないことを悟った蘭豹先生は、依頼にあった私立校の臨時講師職をキンジたちに紹介してくれることになりました。
そこで、キンジは蘭豹先生に問います。
武偵高を辞めた人間なのに、どうしてそこまでしてくれるのか、と。
それに対し、蘭豹先生はこう答えます。
「アホウ。どこの世界に見返りを要求する先生がおるねん。ウチへの恩返しになるのは、お前がちゃんとした大人になる事や。なに、手のかかる生徒は卒業しても退学さしても手がかかるもんや。気にすんなて」(著 赤松中学『緋弾のアリア ⅩⅩⅩⅡ 蒼穹の密使(エトランゼ)』pp.174から引用)
キンジは、蘭豹に対し、いろいろ厳しいし苦い思い出のほうが強く残った人ではあるけれど、確かに先生だったと。
そして、今も学ばされたのだから先生であると。
先生の在り方を学ばされたのでした。
武装教師
蘭豹先生から紹介された私立上目黒中学の面接を、キンジとエンディミラが受けに行きます。
面接らしい面接なしで即採用となったキンジ(2年4組担任)とエンディミラ(2年4組副担任)は、手渡しで現金前借りします。
そして引継ぎもないまま、2年4組のドアをくぐりホームルームを始めようとするキンジたちの目に映ったのは――
学級崩壊した姿でした。
そして何の手応えも無かった二人は、クラスから、
「――先生なんかに頼るわけねえだろ」(著 赤松中学『緋弾のアリア ⅩⅩⅩⅡ 蒼穹の密使(エトランゼ)』pp.186から引用)
という言葉を背で聞いてしまい、ショックを受けてしまいます。
そして、その日に事件が起こります。
キンジが受け持つクラスの学生3人が万引きで、捕まります。
キンジは急いで現場に向かおうとしますが、2年4組を目の敵にしている教頭に警察に引き渡せと言われます。
しかし、キンジは教師の務め――生徒を正しい道へと導くことのため現場のデパートに向かいます。
そこにいたのは芹奈、葵、茜の3人と、化粧品を扱うお店の店長の4人でした。
キンジは、今までに万引きされた商品の買い取りと謝罪、そして、管理指導を約束し、解放されます。
ただ、反省をしていない様子の三人娘にキンジは自分に逮捕歴があること。
そして、いろいろなしがらみがあって大変なことになっている状況。
これらを語ることによって、芹奈たちの更生するきっかけになったのでした。
次の日、ホームルームに向かうキンジたちは4組の生徒に悪意を向けられておりました。
しかし、武偵高出身のキンジはたやすく状況を打破し、逆に、生徒たちに畏怖を与えます。
そして、自分たちが何者か知りたければ、英語で質問すればなんでも答えてやることを約束し、英語の授業を質疑応答にあてます。
プライベートな質問ばかりで、クラスから笑い声も上がるようになり、キンジたちの評価は、畏怖から親しみへ、クラスへと馴染んでいきます。
ただ一人、壕尾(ほりお)を除いて――。
その放課後、壕尾から呼び出されます。
武器をエンディミラに預けたキンジは、壕尾と二人で話すべく、エンディミラを置いていきます。
二人っきりになったとき、壕尾から教師を辞めろ言われます。
そこでキンジは、壕尾が窃盗と転売の関りがあり、何かしらの理由で大金が必要であることを推理してみせますが、図星であった壕尾はスタンガンを出して脅してきます。
脅しにならないキンジは、壕尾に度胸試しにスタンガンを突き出させ、すれ違うように避けて、その際に間接をきめてスタンガンを取り上げます。
そのあと、盗品の転売は辞めるように、そして盗んだものは返すように説得します。
人間、落ちながら生きると、どこまでも落ちるから、早い段階で踏みとどまれと言葉を残して。
そして、壕尾は泣きながら、教師に絶望していることと、自分で抱えきれないものを抱えてしまったけれど、助けが呼べない状態に陥っていることを訴えかけていました。
もう少しで、何が原因なのか口に出すところで、教頭先生にその現場を押さえられ、そして、壕尾に逃げられてしまいます。
教頭は校長に、生徒に暴力行為を働いたキンジにクビを、また、壕尾もスタンガンを持ってきてキンジを脅したことから退学も進言します。
自分のクビは免れないと悟り、壕尾の罪を被ろうとしたときに、芹奈とエンディミラ、そして壕尾が出てきます。
壕尾はスタンガンを、キンジに使い方を教えてもらうために持ってきたものであり、それを教師として取り上げられたこと、そして、キンジの前で座っていたと証言します。
そして、キンジは首がつながります。
その晩、放課後のことで感謝すると、エンディミラは、壕尾が芹奈ことが好きで、芹奈はキンジが好きであること。
そして、壕尾と揉め事になると分かったエンディミラは芹奈にすぐに呼び出したことを伝えます。
そこでキンジは、なぜ壕尾に敵意を持たれていたのか悟ります。
それから大学受験の勉強に入るキンジを応援しようとチアリーダー服に着替えたエンディミラ達は、キンジに迫ってきます。
ただ目のやりように困ってしまうキンジは、そういうことは苦手であることを伝えます。
エンディミラはそのことも計算しており、そういうことを断らせて貸しを作り、昨日渡された前金をキンジに上納しようとします。
これにキンジは怒ってしまい、いくら落ちぶれていてもお金を巻き上げるつもりに働かせているわけではないとエンディミラを押しとどめます。
その行動は計算されていなかったためか、数刻固まりますが、失礼なことをしたと謝罪します。
人という字は
2年4組の授業態度も改善されて真面目に授業を聞くようになり、無事授業を終えた放課後、職員室で書類仕事をしていたら、芹奈が慌てた様子で職員室に駆け込んできます。
バッズというチーマーが来たらしく、そこに居合わせた教頭は警察を呼ぼうとしますが、キンジは自分が解決するといい、エンディミラを連れて、芹菜に案内されながら向かいます。
そこには、ガラの悪い二人組と、ボコボコにされて鼻血まみれになっている壕尾が居ました。
なぜ壕尾が大金を欲しがっていたのか――それは、バッズにズボンの弁償を請求されたからで、いままでの担任は、バッズに追い詰められている壕尾を見捨ててしまったから教師不振になっていただけでした。
壕尾は、もうこれ以上払わない、ボコりたければボコれ、もう落ちないとキンジの教えを呟いて、自分よりも強敵を突っぱねます。
壕尾がこれ以上悪さをしないことを感じたキンジは、バッズ二人を相手に懲らしめていきます。
バッズを追い払ったキンジは、壕尾にどうして助けてくれたのかと問われます。
先生という字は、「先に生まれる」と書いて、年上には年下を助けるのはこの世のルールと言い切ります。
そして、教師の立場なら、なおさら身を以て示さなければならないとも言います。
「今までの先生はどうだったか知らんが――俺は生徒を見捨てないぞ。1人たりともだ」(著 赤松中学『緋弾のアリア ⅩⅩⅩⅡ 蒼穹の密使(エトランゼ)』pp.236から引用)
そして、壕尾の心の中で失われていた年上への信頼を少しでも取り戻しました。
明磊林檎(あかしりんご)が不登校になっているので、生徒たちに理由を聞いてみるキンジですが、関わらないほうが良いという回答が返ってきます。
先生たちからも、評判の悪い林檎のところへ家庭訪問することになります。
調査で実家には帰ってきていない林檎を探していたキンジたちは、目星をつけて訪問します。
そこは林檎の従姉が借りているアパートで、林檎の教師であることを説明したら、従姉が林檎の名前を呼びます。
当たりだったキンジたちですが、林檎が仕掛けた様々な罠に掛かり、逃がしてしまいます。
そして、実家に戻るであろうと予測して、実家に向かう一行。
そして林檎の実家のあるマンションの前に先回りで立っていた林檎。
当然、先回りしていて待ち伏せしていたとなると、武装しているはずですが、キンジもプロ武偵として装備しているものを見させて、戦ってでも家庭訪問させてもらう意思を見せます。
これには、林檎も勝てないと思い、しぶしぶですがキンジを実家に案内します。
案内された入り口前には、キンジがお金を借りた闇金の吉良がいました。
林檎の父もお金を借りていたらしく、その取り立てに来たとのことでした。
開く気配のないドアに吉良は引き返します。
そして、林檎が鍵を開け、キンジたちは突撃します。
そして中にいたのは、5つのPCモニターに囲まれて、デイトレードを行っている林檎の父でした。
モニターから目を離さない父を後回しに、キンジは林檎に母は居るか聞きます。
林檎の母は、リーマンショック後に父が借金を作り、離婚したとのことでした。
そこで出てきたのは林檎の父の彼女という女で、その人は、林檎の父がデイトレードで儲けたら結婚する目的でいます。
林檎はその女に攻撃しますが、体格差もあり吹き飛ばされ、思いっきり机にぶつかってしまいます。
そこで初めて、キンジの前で泣く林檎。
唯一の親である父にも相手にされない、この状況に悲しんでおりました。
これにはキンジも怒り、林檎の父の胸ぐらを掴みます。
それでも、モニターから目を離さない姿に、依存症であることを察します。
その時、父の彼女が散弾銃を出してきてキンジたちをけん制します。
キンジがその女に詰め寄り、銃口を押し上げたとき、引き金を引かれます。
女は、かなり酔っていたのかその衝撃で、コケてしまいますが、起き上がり次弾を装填し再びけん制します。
状況が悪いキンジたちは、林檎とともに脱出します。
なぜ林檎は実家への訪問拒んでいたのか理解したキンジは謝ります。
そして、それらの一末が次の事件を引き起こします。
林檎と別れた後、エンディミラと一緒に最寄りの駅へと向かうキンジ。
途中、駅前交差点の先が騒がしく、人々がこぞって上を見ているので、キンジたちも上を見ると――
14階建てのマンションから飛び降りようとしている林檎の姿が見えます。
家庭訪問したことを後悔しますが、それよりも先に林檎の元へ向かうキンジ。
林檎の元へたどり着いたキンジは、林檎に声を掛けます。
ただ林檎から返ってきた言葉は、生きている意味が分からない。生きていても辛いことばっかりだと、人生に失望しているものでした。
それでも説得を続けましたが、林檎は命を懸けた命令をしてきます。
キンジも諦め、一緒に死んでやるとフェンスを越え、林檎の横に立ちます。
そして林檎を抱き寄せ、東京の夜空へ身を放り投げます。
キンジはあらかじめ用意していた銃弾(エアバッグ)をうまく膨らまない場合があるので2発撃ちます。
しかし、2発ともエアバッグが膨らみ、それぞれ反発して落下する場所に間が開いてしまいます。
キンジは焦りますが、その時エンディミラの風の魔法が、着地地点をエアバッグ上に軌道を向けます。
無事助かったキンジは、ヒステリア・アゴニザンテになって、林檎に語り掛けます。
確かに人生辛いことばかりあるけれど、生きるしかない。飛び降りるのはもう、御免だろ、と。
再び、林檎の実家に向かうキンジたち。
吉良の明磊から借金を取り立てに手伝いながら。
依存症であるならば、その依存するものを取り上げればよいとことなので、ワークステーションを吉良が借金の取り立てで持っていきます。
そして、明磊にデイトレーダーは辞めさせ、真っ当な仕事に就くと約束させました。
明磊の彼女という存在が、再び散弾銃を持ってこようとしましたが、銃剣登録しているのかどうかを取り調べするぞと脅し、先ほどまでの端的な説明をすると、興味がなくしたように帰る準備をします。
そして、今後の林檎について家庭訪問をするのでした。
明磊事件が解決した次の日、キンジはTRPGを英語で授業を行います。
盛り上がりを見せたキンジの授業ですが、昼休みに校内放送でキンジとエンディミラと中川先生が呼び出されます。
内容は、4組の新しい先生が見つかったとのこと、キンジたちは解雇となり、新しい先生が担任、中川先生が副担任になることでした。
初めから嫌味ばかりいってきた教頭も、2年4組の授業風景をみて、関心しておりました。そして、礼を言われます。
給料の残り半分をもらい、最後のLHRで、2年4組の生徒に別れを告げます。
そこで「人」とは、人と人が支えあっている。片方がもう片方に寄りかかっている、楽しているように見える。どちらの人間になってもいいけれど、たまには支えてあげろ、と説きます。
最後の瞬間に林檎と会いますが、どうやら学校に復帰するようです。
こうしてキンジの教師生活に幕を閉じたのでした。
魔の全集
敵(ヒュドラ)がテテティの精神を乗っ取り手話で、エンディミラに用事がある事、そして、人質として芹奈と林檎を預かっているとメッセージを残し消えます。
そして、ヒュドラを操っている存在に心当たりがあるエンディミラは、エンディミラたちに因縁のある魔女――竜の魔女ラスプーチナ。
指定された場所にたどり着くキンジは、現れたラスプーチナに芹奈と林檎はどこかと問います。
返答は、知らないとのことでラスプーチナを手引きした存在がいるとヒステリアモード化したキンジが導きます。
手引きしたのは、中川先生もとい猿田武検補であり、スナイパーとしてだけではなく、容姿を自在に変化させることができる(魔術で変身するものではない)能力持ちでした。
そして、猿田の本来の目的は、ラスプーチナを逮捕して武検補から武装検事へ昇進すること。
ラスプーチナは、魔の全集――エンディミラたちの里を滅ぼし、奪っていった魔導書を使い、何かを召喚します。
キンジたちは何かの存在に気づきはしますが、見えていない状態で、猿田に逃げるようにエンディミラは言います。
功を焦った猿田は、ライフルの引き金を引きます。
そしてラスプーチナにあたる前に何者かの存在に弾かれ、ぞの存在が猿田に向かっていき腕を――。
キンジらに作ってもらった隙に、猿田は逃げていきます。
そして残ったキンジたちはラスプーチナと対峙するのでした。
商品としてエンディミラを傷つけたくないラスプーチナは、人質としてテテティ、レテティを出してきます。
そんな二人は、初めて言葉を出します。それは、エンディミラを守るために――。
そして、エンディミラは覚悟を決めます。
エルフの里で私利私欲で使うことは禁忌とされていた武器で、今回、仲間を助けるために禁忌を破って使用することに。
出した武器は、弓――コンパウンド・ボウで、キンジに射撃線を作ってほしいと頼みます。
キンジは、父親から見て覚えた扇貫(せんがん)を使用し衝撃波のレーザーを出します。
そして空いた隙間に、エンディミラの矢を射出します。
ラスプーチナは、魔の全集もろとも矢に刺さり、制御が利かなくなった竜にやられ、発動していた視覚外瞬間移動で消えてしまいます。
すべてにケリがついたキンジたちは、エンディミラは猿田に用事があると、救急車に運ばれる猿田についていき、キンジはテテティ、レテティたちと帰るのでした。
蒼穹の密使
ラスプーチナ戦から数日後、エンディミラからキンジに話があると、観覧車まで連れていかれます。
そこで、元の世界に還ることと、そことこの世界で昔から互いに密使を送り送られ、文明を学びに来ていることを伝えます。
エンディミラはキンジたちとの出会いで、Nという組織の考え方(文明の退化)を見直す方針で、元の世界に戻った後に神に報告するようです。
そして、エンディミラとの別れの夜、集まった場所には様々な人たちがいます。
その中でも主要な人物は、キンジも着替えさせられましたが、大日本帝国の海軍装束を着ておりました。
視覚外瞬間移動する部屋の前まで案内されたキンジは、そこでエンディミラと最後の会話をします。
エンディミラと入れ替わりで誰かが還ってくることも。
残り1分前になったところで、エンディミラはキンジにキスをして、最初は捕虜としてでしたが、今は恋してしまっていることを告げます。
そして、エンディミラは次の部屋へ行き、視覚外瞬間移動で還っていくのでした。
と同時に、誰かの足音が近づいてきます。それは、エンディミラではない足音が――。
そして、現れたのは、大日本帝国海軍中佐の遠山雪花でした。
言葉を失うキンジ。さて、どうなる?
緋弾のアリア 32巻 感想
始まりの戦闘パートから、非常に興奮しました。
ヒステリアモード化した息子VS父・金叉。あらゆる遠山家の技が出されてきました。
キンジがラスプーチナ戦で使う扇貫、あらゆる接点から力を得て体当たりする大和、防御技の絶宮、万旗など数多く登場しました。
戦闘の流れも非常に軽快で読者観点から、飽きない心地よさがありました。
金叉はヒステリアモード化していないのも驚きの事実でした。
そして今回は、キンジが先生をするところが非常に読みごたえがありました。
体を張って人を導く姿に感動してしまいました。
好感度が高い芹奈と林檎には再び登場してほしいほどです。
そして最後は、エンディミラとの別れになりますが、このキャラクターも再び登場してほしいです。
キンジと交流を深め、恋を知る姿に感動してしまいました。
テテティ、レテティはまだキンジたちがいる世界にいるみたいなので、登場する可能性は高いと思います。
入れ替わりに現れた遠山雪花は、次巻のキーパーソンとなりそうです。
緋弾のアリア 32巻 雑記
金叉は、ヒステリアモード化しなくても、遠山家の技を使うことができるチート性能。
魔の全集は、ラスプーチナが集めた魔導書13冊をまとめたもの。
その中には、エンディミラの里にあったものを含みます。