緋弾のアリア 34巻 早天の嚮導艦(ナヴィガトリア) 見どころ・感想 ネタバレ有り

2021-04-30

2020年12月25日に発売された小説『緋弾のアリア ⅩⅩⅩⅣ 早天の嚮導艦(ナヴィガトリア)/著・赤松中学』

の私見にはなりますが、見どころと感想を載せていきます。そのためネタバレも有りますが、ご了承ください。

私の意見になりますが、このシリーズは、ラブコメとアクションが入り込んでおり、尚且つ、文章が読みやすいことから、ライトノベルを初めて読む方にお勧めです。

ただ、長期のシリーズものですので、初めから読んだ方が良いです。

この巻は、前巻に登場した敵・ラプンツェルとの最終決戦がメインになります。

今回はバトル中心なので、非常に面白いです。

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緋弾のアリア 34巻の見どころ

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緋弾のアリア  玲二號作戦

前回、ラプンツェルとのバトルで敗北してしまったキンジたちは、カツェの『霧の標印アンネベルン・マルケ)』により、現在、ラプンツェルがいる場所を突き止めます。

そして、その場所は――北方領土の択捉島沖。

普通に行けば、ロシア側から攻撃を受けてしまいます。

そこで、天山十一型と超小型潜水艦・オルクスを使用することにキンジたち。

ただ両機とも移動可能距離が非常に短いことから、航空母艦が必要となります。

こでキンジは、コネをあたって用意します。

また、天山は最大3人までしか乗れないことと、オルクスは最大2人しか乗れません。

かなでは、遠山家の血を持つ人間の存在を感知する超能力
(ただし、超能力持ちの存在は感知できない)があるので、
キンジと別行動をとることになります。

天山の方には、遠山鐵(まがね・キンジの祖父)、
遠山雪花(せっか・キンジの祖父の姉)、遠山キンジの三人が乗り、
オルクス側には、神崎・H・アリア(メインヒロイン)、
遠山かなで(キンジの妹)の二人が乗ることになります。

キンジは雪花が作戦に参加することについて、本人に確認をします。

それは、雪花がヒステリアモードに不調ではないかと。

ただ、雪花は軍令である玲號作戦の続きにある『玲二號作戦』のため、戦場に赴かんとします。

その内容は、ドイツ軍の行き過ぎた行動をとるならば、ドイツ軍のレクテイアに関わるものを排除しろというものでした。

また、雪花とラプンツェルの対決は宿命であると。

雪花の身に度々起こる存在劣化症候群は、レクテイアから元の世界に戻ってくる人に、世界は、世界の条理を歪める存在を否定し、宿命の力で排除しようとすることで引き起こされていたようです。

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緋弾のアリア 誓いと抗い

そして来(きた)る日、神奈川県・横須賀港に到着した5人は、
キンジが用意させた米空母・カールビンソンに乗り組むことに。

中に入り込んだ5人は、米軍との交渉で空母を用意してくれた、
ジーサード(キンジの弟)と、かなめ(キンジの妹)がおり、
キンジは、ジーサードに自分にもしものことがあったときのことを、ジーサードに頼みます。

それに対してジーサードは、兄貴(キンジ)が負けることはあり得ないといいますが、目では了承している姿に、
一種の家族愛が伝わってきました。

カールビンソンで択捉島近海に着くまでの生活で、キンジは雪花に、今回の戦いに無事生還したら何がしたいと問いますが、雪花の価値観は、戦時中にあった
全体主義の中では、個人の夢や希望はあってはならないことが、雪花を戦争しかしらない、他のことが空っぽであることを、再び、思い知ったキンジでした。

それでも、雪花に生きる希望を持ってほしいキンジは、無理やりでも考えさせた雪花に、生還後、アイドルダンスを習得して、ユーチューバーとして活動していくことを約束させました。

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緋弾のアリア  世界を変える

作戦決行日、天山に乗り組む祖父・鐵、雪花、キンジ。

カールビンソンに掲げられていたのは、
日本海軍にとって特別なもの――
それは、幾多の戦場で掲げられたZ旗
この一戦、後には引けないと改めて気を引き締めるのでした。

そして、天山が発艦します。

途中、天山がエンストを起こし、墜落しようとする中、雪花が「機械は叩けば直る」理論で、天山を叩いたり、蹴ったりした結果、天山のエンジンを再駆動させます。

そして、人間電探と呼ばれた祖父・鐵が敵艦の氷山空母・ハバククを
第六感で感じ取り、そこへ向かいます。

そして、天山から飛び降りるキンジと雪花はヒステリアモードになります。

そして内部に突入するキンジと雪花は、ラプンツェルの協力者の
サンドリヨンを発見します。

サンドリヨンを問い詰めて分かったことは、
サンドリヨンがNの一員であって、
ラプンツェルを現代へ戻したのもNの仕業であること、
ラプンツェルの目的の一部で、盟約している女神クロリシアが好む環境になるように世界を変えること、
レクテイアへの送召喚は、モリアーティ教授によるものであることでした。

レクテイアの危険な植物群を発見するキンジと雪花。

ラプンツェルがレクテイアから持ち込んだ植物が、
もとの生態系を壊してしまうものばかりであり、
穀倉地帯を崩壊させるなど危険極まりないものでした。

ほかには、ほかの植物を枯らしてしまうものや、
毒をまき散らすものなどの植物群。

これらが上陸してしまうことに危機感を持つキンジたち。

択捉島接近まであとわずか。

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緋弾のアリア  第7のヒステリアモード

ついにラプンツェルを発見したキンジたち。

ラプンツェルはレクテイアの植物を操って、キンジたちを追い詰めていき、
ヒステリアモードの半分くらいの力しか引き出せない雪花を拘束していきます。

そこで雪花は、自分に流れている星伽の力を使い、焔を繰り出すことで
脱出しますが、想定していた力の半分くらいしか出せないと知り、レクテイアから得た超能力を含む人間のすべて力を倍増させる鏡裏クルティ・ティオ)』を使用します。

これによって、ラプンツェルを一時的に追い詰めますが、激怒したラプンツェルの正体不明の攻撃により、危機的状況に追いつめられるキンジと雪花。

キンジを逃がそうとする雪花に対し、キンジはラプンツェルの攻撃の正体が分かり、雪花の元へ戻ります。

なんと、植物の光合成で得た、高濃度酸素でした。

そして、焔を纏っている雪花の近くであれば、丁度よい酸素バランスになっており、キンジも戦えるようになって、再び、ラプンツェルを追い詰めます。

ただ、追い詰めたと思ったラプンツェルは、怪しい雰囲気を出しており、
女神クロリシアと混じっている正体を現しました。

通常の植物の攻撃だけではなく、強化された肉体の攻撃も加わり、再び追い詰められてしまうキンジでしたが、その時、雪花に第7のヒステリアモードである母性のヒステリアモード『(母對ヒステリア・マテルノ』が開花しました。

ヒステリア・マテルノは、子を守りる母は、例外なく強い所以で、
数有るヒステリアモードよりも強く、小範囲に激甚な地震を引き起こす遠山家奥義の一つ「陸奥」を放つのでした。

それも、雪花が放った「陸奥」に対してキンジも重ね掛けした「陸奥」を
合わせた「継ぎ陸奥」を。

その結果、震度7の地震にさらに震度7の地震を加えた震度14の『超震』が起こり、これを前にラプンツェルは何もできなかったのでした。

自然現象には何者でも立ち向かえないということです。

勝負は決着しましたが、陸奥の影響で戦場が崩壊し始め、
凍てつく海を泳ぐことになります。

夜明け間際の空に照明弾を撃ち、雪花を探すキンジ。

雪花の名前を叫んで探すキンジの耳に、バタ足の音が聞こえ、その方角を見ると、なんとか泳いでいる。自足1kmほどの、もどかしいほど
遅いスピードで。

キンジに泳ぎ方を教えてもらったように。

ようやくキンジのもとにたどり着いた雪花は、海中の中でラプンツェルを探していて遅くなったとのこと。

「何者も、過去に縋り付いて生き続ける事はできないのだ。

半世紀以上もの過去であれば尚更である。夜は明けた。生きるぞ。

今日からは、遠山中佐、ラプンツェル大佐ではなく――2人の女、雪花、ラプンツェルとして」(著 赤松中学『緋弾のアリア ⅩⅩⅩⅣ 早天の嚮導艦(ナヴィガトリア)』pp.300から引用)

このセリフで、二人の戦争時代が終わったのでした。

この後、アリアとかなでに合流するのでしたが、
100万トンありそうな氷山が割れたことにたいして
冗談交じりでキンジが割ったのではと仄めかしたのですが、
実際に割れた理由を告げると、アリアとかなでは、
キンジたちが人間離れしているのに引くのでした。

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緋弾のアリア  早天の嚮導艦

日の出の様子がおかしいことに気づくキンジ。

太陽が大きすぎるように見えるキンジはデジャブを感じる。

それは、ネモと漂流した無人島での生活最終日に見た太陽と同じように。

そして、現れたのは、金色の潜水艦・ノア(Noah)。ノアが覆っているのは、盗まれた172tのイギリスの黄金で、純金を触媒にして時空を超える
超々能力を有する艦でした。

そこから現れるのは、モリアーティ教授。

そして現れる2つ目の潜水艦。それは、黒い巨大な潜水艦・ノーチラス(Nautilus)。

そこから現れる19世紀フランス海軍服を着たネモ。

不可能を可能にする男(キンジ)と、可能を不可能にする女(ネモ)が
再び再開するのでした。

ネモの家系は代々潜水艦乗りであり、代々艦長を務めていたとのこと。
ただし、3代目を除く。

そして、此度のネモ(4代目)は、母方が代々魔女の家系で、超々能力者というスペックなのでした。

Nというのが、ノアとノーチラスの潜水艦隊であると瞬時に理解するキンジ。

モリアーティ派とネモ派の二つに分かれているのは、物理的に潜水艦が2艦に分けれて活動していたからでありました。

ただ、そこでキンジのヒステリアモードの頭脳が、嫌な予測を立てます。

Nの行動パターンが基本三位一体であること。

だから、モリアーティ、ネモ、あともう一人リーダーがいると思うキンジ。

そこから現れた戦艦・ナヴィガトリア(Navigatoria)。

そこから現れたのは、太くした旄牛のようなツノがあり、かなでに非常に似通っている少女・ルシフェリア。

「彼女はルシフェリア・モリアーティ4世。レクテイアの――」(著 赤松中学『緋弾のアリア ⅩⅩⅩⅣ 早天の嚮導艦(ナヴィガトリア)』pp.323)

そして、キンジとアリアには非常に馴染みがある潜水艦。

それは、アリアの祖父・シャーロックが乗る潜水艦「イ・ウー」。

シャーロックの因縁の相手、モリアーティ教授を前に。

そして、始まる艦隊戦。

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緋弾のアリア  34巻 感想

ついに、ラプンツェル戦も最終回です。

今回は、作戦に参加した(また、手伝いした)遠山家が
主人公・キンジに始まり、妹・かなで、祖父・鐵、
祖父の姉・雪花、手伝い要員で弟・ジーサード、
妹・かなめ の6名。

老若男女も使われる遠山家の悲しい運命というのでしょうかね。

女として目覚める雪花が、キンジに対する思いで、
どのように変化していくのか注目でした。

途中までは、前巻のように男として見ている気がしていました。

雪花のヒステリアモードの不調もそこから来ておりましたが、
ラプンツェルとの戦いの最中、
雪花は最終的にキンジを一人の男としてではなく、
自分に近しい子として、母性のヒステリアモード・マテルノを発現したところが胸熱な展開でした。

そして次巻へ繋ぐ物語。

モリアーティ教授とシャーロックの邂逅。

Nのリーダー格である、モリアーティ、ネモ、モリアーティ4世。

モリアーティ4世に関しては、姿がかなでに似ていることについて。

次巻も、興奮させてくれそうです。

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緋弾のアリア  34巻 雑記

Nの一員であるサンドリヨンについて

彼女は、フランス語読みでシンデレラと同義ででした。

彼女の指輪に記載されていた文字から、
ナヴィガトリアに乗員しているルシフェリア・モリアーティ4世の
配下ではないかと思います。

ルシフェリアについて

まだ、登場したばかりなので憶測になりますが、
モリアーティの遺伝子から創られた存在で、
レクテイアへ行き来するコンパスの役割を持っているのではないか
と思います。

多分、次巻ではわかると思います。

緋弾のアリア

Posted by masa